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下田直子ハンドクラフト展―手芸っておもしろい

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この2月、日本橋三越本店新館7階ギャラリーで下田直子さんの30年間に渡る作品約500点を展示した、大規模な展覧会「下田直子ハンドクラフト展-手芸っておもしろい」が開催された。ずば抜けた色彩感覚と手芸のアイデアが満載な作品を目の当たりにすると、「作ってみたい!」と思わずにはいられない手芸好きにとっては心動かされる楽しい展覧会だった。

shimoda_01数百個のモチーフを組み合わせて作られた「花のジャケット」

下田直子さんは、1953年東京生まれ。文化服装学院ハンディクラフト科を卒業後、服飾メーカーのニットデザイナーとして活躍した。85年に憧れだったニューヨークへ渡り、ネーティブアメリカンの手工芸や50年代の手芸雑誌に影響を受け、帰国後、手芸作家への道に進みます。 絶妙な色使いと洗練されたデザインで多くの作品を次々と発表。制作された作品はニットを始め、パッチワーク、刺しゅう、アップリケ、編み物、ソーイングなど様々な手芸技法が駆使されている。著書も30冊を超え「かぎ針編みっておもしろい」は、手芸本としては異例の10万部を超える大ヒットとなった。

shimoda_02シンプルなフェルトのブローチ

shimoda_03素材にこだわった、ペーズリィのセーター

shimoda_05タンポポをイメージして作られた巾着、はっきりした黄色の麻生地と裏地の組み合わせがダイナミック

展示された作品の一つ一つは手仕事が好きな人なら誰でも共感できる。素材も手に入りやすい糸や布、ビーズが多い。下田さんも「私より上手な先生は沢山いらっしゃいます」と語っているように、テクニックもずば抜けているわけではない。しかし展覧会の下田さんの作品は懐かしいが新鮮さがあり、和風だけれどモダン、そして幾つもの手芸技法の組み合わせで「手芸」が「アート」に変わっていく瞬間を捉えたように才能が湧き出ている。丹念な作り方とこだわった裏地、仕上げの力強さなどがアイデアとマッチして作品に命が吹き込まれ輝きだしていた。 「自分が燃える素材が無ければ作れない」とイメージを形にしていく力は素晴らしい。

shimoda_041960年代のアメリカのテキスタイルデザイナーVeraの生地にビーズとスパングルを足して、下田直子の世界を構築している。

shimoda_06マダガスカル島のヤシの葉が原料のラフィアの糸で作られたモチーフのバッグ、色の使い方が絶妙

shimoda_08小さなボタンに手芸技法が凝縮されている

この展覧会は2014年美術館「えき」KYOTO、2016年日本橋三越本店と巡回し、約55,000人を動員した。会場のアンケート用紙を拝見すると多くの人たちが手づくりの懐かしい記憶を持ち、手芸は価値ある贅沢なものと認めていた。今、ブランドと言われるオートクチュールのデザイナーたちも出発点は手芸をやっている母親や家族、友人たちの影響から物作りをスタートしている。 大切なことは「手芸をやってみたい」と思う気持ちと、初歩からでもいい「手芸を始めてみよう」と行動する力だと思う。 物が作れるようになれば、何かかが変わっていく。そのことを感じた展覧会だった。

巡回予定:下田直子ハンドクラフト展―手芸っておもしろいは、8月博多・阪急百貨店で開催予定

下田直子展覧会プロデューサー 北上昌子

1976年 朝日新聞入社。業務局、出版局をへて文化企画局勤務。主にファッションと写真の展覧会の総合プロデュースを担当。森英恵、三宅一生、ロメオ・ジリ他のファッションショーや展覧会「オートクチュール100年展」(1994年 渋谷・文化村ミュージアム)、写真展「ロバート・メイプルソープ回顧展」などを企画開催。その後、夫の転勤先であるニューヨークへ同行のため朝日新聞社を退社。帰国後、展覧会プロデューサーとしてパッチワーク展や「モードとしての編物展」(2006~7年 日本橋・三越ほか)を企画開催、2009年には「広瀬光治と西山美なコのニット・カフェ・イン・マイルーム」(金沢21世紀美術館)で日本編物文化協会側のプロデューサーとして参画。2014年から「下田直子ハンドクラフト展-手芸っておもしろい」を京都、東京で企画開催。

写真撮影:石井宏明

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