パッチワーク愛好家のニーズに応えるワイドな内容のパッチワークキルトの専門誌『キルトジャパン』。その中の人気記事、キルターの「ある一日」をご紹介します。 「Happy Life with Handmade」を実践されているキルト作家の皆さんに、作品作りやお教室の合間にふと感じたこと、ショッピングや旅行など、日常での一コマなどを、日記を綴るように語っていただきました。
東照代さんの一日 9月21日 木曜日
「ドン! ドン! ペタッ、ペタッ」建物の外にまで大きな音が響いている。ここは大阪府堺市の陶芸教室「きらくっぽ」(喜楽歩)。私は月に一度、ここで器作りをしている。粘土をこねる音に気持ちが「作る!!」モードになっていく。
私には、食について深く考えなければならない時期があり、それは同時に器に目を向ける機会にもなった。カルチャーセンターから始まり、現在の教室に至るまで、陶芸を通じ多くの師と友人に恵まれた。パッチワークは平面的なものが主だが、陶芸は立体的な形に作り上げていく。粘土は気温・湿度など自然条件によって変わり、それを手で感じながら成形してゆく。釉薬決めも、とても緊張する工程だ。パッチワークの配色は試行錯誤の積み重ねだが、器作りは焼成後思いもよらぬ仕上がりに「ウ~ム」と思うことも、「ニンマリ」とすることもある。陶芸は工房で、パッチワークは家で一人制作に取り組む。このバランスをこれからも続けていけたらいいなと思う。
今日一日の作業を終えて家路に着きながら、そろそろ六角形のパターンで新しいバッグの形を考えようと、頭をパッチワークモードに切り換えるのであった。
釉薬をかける前の器。
陶芸を始めた頃に制作した“welcome”の灯り。
QUILTER'S PROFILE

東照代
野原チャックキルトスクール、「ハーツ&ハンズ」所属。キルト歴37年。
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